ブレイクダンス初心者は何から練習すればよいのか?

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2024年のパリオリンピックから正式種目として採用されることや、学校教育の中でもダンスが取り入れられるなどの背景も追い風となり、ブレイクダンスへの注目度も高まっていると言えるのではないでしょうか?
今後は、益々ブレイクダンスをする人の人口が増えそうですが、これからブレイクダンスを始めようと思っている人はいったい何から練習すればよいのでしょう?

何から練習すれば良いのか?

結論から言えば、必ずしもコレから練習しないといけない、という決まりはありません。
そのため、以下の観点からも一度考えてみてもらっても良いのではないかと思います。

①ブレイクダンスをやりたいと思ったきっかけは何か?
②どんな目的でブレイクダンスをやりたいのか?

具体的にどのようなことかは、この後、もう少し詳しく説明していきます。

ブレイクダンスをやりたいと思ったきっかけは何か?

1つ目の観点は「ブレイクダンスをやりたいと思ったきっかけは何か?」です。誰でもブレイクダンスをやりたいと思った時には、何かしらのきっかけがあるかと思いますので、その時の気持ちを大切にして、何から練習するのかを決めても良いかと思います。

例えば、誰かがやっているのを直接見たり、TVやYoutubeなどで見たりして、やりたいと思ったという人も多いのではないでしょうか?
そんな人は、もう一歩踏み込んで考えてみてください。
具体的に、その時のどのような動きを見て自分もやりたいと感じられましたか?

・ウインドミルやヘッドスピンなどのパワームーブ?
・かっこいい足さばきのフットワーク?
・超人的なワンハンドラビットやストロング系のムーブ?
・身体能力を活かしたアクロバット?

ブレイクダンスには様々な動きの要素があるため、その中でも特に自分がどういった動きに魅力を感じたのかで、その系統のムーブやその系統のムーブに役に立つ基礎練習から始めてみるというのも良いかと思います。

どのような動きと言われても、全体的に見てかっこいいと思ったから、という人ももちろんいるかと思いますが、それはそれで全然大丈夫です。この記事の後半で紹介する練習の順番のモデルを参考にしてください。

どんな目的でブレイクダンスをやりたいのか?

2つ目の観点は「どんな目的でブレイクダンスをやりたいのか?」です。あなたはどのような目的でブレイクダンスをやりたいと思いましたか?
人によって様々な動機があると思います。

・普通の人にはできないような凄い技をできるようになりたいから?
・バトルやショーに出て歓声を浴びたいから?
・単純にモテたいから?
・運動不足解消やダイエットのため?
・何か体を動かす趣味として取り組みたい?

始める動機は何でも良いかと思いますが、その内容によっては、練習内容の注力の仕方を工夫することで、より効率よく目的を達成できるかもしれません。

ほとんどの場合は、この記事の後半で紹介する練習の順番のモデルを参考にしてもらえれば良いかと思いますが、以下の目的の場合は、最初から少し考えながら練習してみても良いかと思います。

●バトルで勝ちたい

バトルで勝つには、単純にブレイクダンスが上手いだけではなく、相手を意識した立ち振る舞いや場慣れ、評価されることを意識したムーブなどバトルの技術も必要になります。この記事の後半で紹介する練習の順番のモデルと併せて、前述の内容のようなバトルの技術を向上させるためのバトル練も行ってください。また、近年、バトルで勝とうとすると(特にソロバトルでは)トップロックもパワームーブもフットワークもフリーズも何でもこなせる人が勝ちやすい傾向があるため、満遍なく練習する必要があるかと思います。
その他、ブレイクダンスのバトルで流れるような曲を知っておくことも重要です。練習をしていない時間でも様々な曲を聞き、知っておくことで音ハメなどがしやすくなり、バトルを有利に運ぶことができるようになります。

●ショーで活躍したい、人から凄いと言われたい

ショーで活躍したい、人から凄いと言われたい場合は、ブレイクダンスを知らない人でも分かりやすく凄い技を中心に練習すると良いかもしれません。分かりやすく凄い技というのは、具体的には、パワームーブ、ヘッドスピン、縦系、アクロバットです。ストロング系なんかも良いかもしれません。

一般の人には、細かいフットワークの違いはわかりませんので、分かりやすく凄い技の方が伝わります。また、パワームーブについても技の難易度は分かりませんので、難しい技やつなぎよりも、回っている回数が多い方が凄いと思われることもあります。(エアートラックス1発よりも、ウインドミル5周とかの方が凄いと思われがちです。。)

●運動不足解消やダイエットのため

運動不足解消やダイエットのためであれば、有酸素運動になりやすい、トップロックやフットワークを中心に練習をしてもよいかもしれません
パワームーブやフリーズなどは意外と無酸素運動になりがちですので、痩せたい場合はあまり適さないかもしれません。ただし、普段使うことのなかった筋肉を使うため、筋肉をつけることで基礎代謝が上がり、太りにくい体になるというメリットはあります。

初心者が練習するべき内容、順番のモデルケース

ブレイクダンスをやりたいと思ったきっかけや、目的によっては、やりたい動きの練習を重点的にやっても良いかとは思いますが、ここでは、一般的にブレイクダンスを始める人の多くが通るであろう練習の内容と順番のモデルを紹介します。
もちろん順番が決まっているわけではありませんので、参考程度に見ていただければと思います。

ただ、いきなり高難易度のパワームーブなどに挑戦するのは、できないだけではなく、ケガにつながることもありますので、基礎となる動きを順番に練習して、少しずつ難しい技に挑戦していくようにしていただければと思います。

1st STEP

・トップロック
立ち踊りは、初心者でも一番簡単にマネができて、練習しやすいので、トップロックの中でもまずは、インディアンステップやツーステップから初めてみましょう。

・逆立ち(倒立)
何もやったことのない人からすれば、初めは逆立ちすらも難しいかと思いますので、壁を使った壁倒立などから練習していただければ大丈夫です。

・シックスステップ(6歩)
フットワークの最も基本の動きなので、まずは形を覚えながら1周綺麗にできるように繰り返し練習していきましょう。

・チェアー
最も基本となるフリーズになりますので、初めは難しいかと思いますが、必ず必要になりますので練習しましょう。

・三点倒立
できるようになると全く難しくはないのですが、頭の上に腰を乗せる感覚がわからないうちは、キープするのが意外と難しいです。手の着く位置にも注意しましょう。

・バックスピン
パワームーブの中では、比較的初心者でも練習しやすいバックスピンから練習することをお勧めします。いきなりウインドミルといきたいところですが、実際にはウインドミルは様々な動きの要素を組み合わせているため、初心者がいきなり練習するには少し難易度が高いかと思います。

2nd STEP
基本的には、1st STEPの発展になります。

・オリジナルインディアンステップ(インディアンロック、ツイスト、クロスオーバー)
・ブロンクスステップ
立ち踊りの中でも足を巻く動きなど、初めての人には少し難しい動きの入ったステップも練習していきましょう。

・マックス
・ジョーダン
片手で逆さになる感覚に徐々に慣れていきましょう。初めは止まれなくても大丈夫です。

・1歩、2歩、3歩、4歩
・CC
・ズールースピン
フットワークの基本の動きです。まずは形を覚えながら綺麗にできるように繰り返し練習していきましょう。

・肘倒立
できれば初めから、左右両方やっておくと後々便利です。

・三点倒立 ⇒ 逆立ち(倒立)
三点倒立の状態から、足を真上に蹴って(そのタイミングで手も地面を押す)、逆立ち(倒立)まで上げる練習をしましょう。この足の蹴りは、様々な動きの基礎になりますので非常に大切です。

3rd STEP
1st~2nd STEPのさらに発展になります。

・インディアンステップ、ツーステップ、オリジナルインディアンステップ(インディアンロック、ツイスト、クロスオーバー)、ブロンクスステップの組み合わせ
上記のステップを自由につなげられるように組み合わせて踊る練習をしてください。
組み合わせて踊っても、オンビートでカウントを取ってステップを踏めるようにしましょう。

・アップロック
最初の1、2のカウントはいくつかバリエーションも作ってみましょう。

・スワイプス
手と足を着くタイミングが初めは全くわからず、かなり難しいかと思います。頭でも動きをよく理解しながら根気よく続けて、体でも覚えるようにしましょう。

・ウインドミル
こちらも基本のパワームーブと言えど、様々な動きの要素が組み合わさってできているため、初めは分解して練習するようにしましょう。

・LAスタイル
・NYスタイル
どちらもパワームーブの入りの動きとして必要ですので、ウインドミルと併せて練習するようにしましょう。NYスタイルの方がLAスタイルよりも難易度は高めですが、その分勢いはつけやすいです。どちらもできるようにしましょう。

・肘倒立 ⇒ 逆立ち(倒立)
肘倒立の状態から、足を真上に蹴って(そのタイミングで手も地面を押す)、逆立ち(倒立)まで上げる練習をしましょう。

・チェアー ⇒ 三点倒立
・三点倒立 ⇒ チェアー
チェアーの状態から、足を真上に蹴って(そのタイミングで手も地面を押す)、三点倒立まで上げる練習をしましょう。足を蹴る時は、足は一度縮めて大丈夫です。
また、三点倒立から、チェアーに落とす練習もしましょう。落とす時は、真下に落とすのではなく、円軌道を意識して頭をスライドさせながらチェアーの形を作るようにしましょう。

・バックロック
・ジロー
・トラックス
背中を地面についた仰向けの状態からの基礎的な動きになります。ジローとトラックスは初めは難しいかもしれませんが、腰から上げる事がポイントです。

3rd STEP以降は、自分がどういったムーブをしたいのか、どういったBboy、Bgirlになりたいのかによってやりたい技を練習して、伸ばしていっていただければ良いかと思います。

ブレイクダンスは、ダンスの中でもすぐに習得するのは非常に難しく、かなりの練習量と練習時間が必要になるダンスだと思います。
私自身、何度途中で辞めようと思ったかは分かりません。。また、途中で挫折して辞めていった仲間も何人も見てきました。
でも、それゆえに新しい動きや技ができた時、バトルで勝った時、自分のムーブで周りが沸いてくれた時の喜びや嬉しさ、達成感は何物にも変えれないものがあります。

長らくブレイクダンスをしていて一つだけ言える確かなことは、続けて練習さえしていれば必ず上手くなる、ということです!!
今から始めようと思う人も諦めずに頑張れば必ず上手くなりますので、一緒に頑張りましょう!!

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