ブレイクダンスの基本技・やり方を紹介!!【パワームーブ編】

レクチャー動画

ブレイクダンスを構成する4つの要素、「トップロック」「フットワーク」「パワームーブ」「フリーズ」の中から、今回は「パワームーブ」の基本技・やり方を紹介します。

POWERMOVE(パワームーブ)とは・・・
頭や肩、背中、手など体の様々な部分を使って、回転する動きのことを指します。ブレイクダンスをしていない一般の人のイメージというと、このパワームーブを想像される人が多いのではないかと思います。色々な種類のパワームーブがありますが、基本的なパワームーブでも、始めたばかりの人が習得するまでには、最低でも数か月は練習を積まないとできるようにはならない場合が多いです。(個人差や練習量にもよりますので、一概には言えませんが)

※今回紹介するのはあくまで一部の基本技のため、これが全てというわけではありません。
※技の呼び方は、地域や人によっても違いがある場合があります。
※技のやり方は、人によってかたちが違ったり、意識することが違ったりします。
 あくまで、一例としてご覧いただき、実際にやってみて、自分に合ったやり方を探ってください。

パワームーブは基本的にどれも多くの練習量が必要になります。最初は誰でもできなくて当然ですので、できないことで落ち込まずに、根気よく練習するようにしましょう。

スワイプス

パワームーブと言えば基本的に地面に足が着かない技が多いですが、数少ない地面に足が着くパワームーブです。上半身と下半身で捻じれを作り、回転しながらジャンプをするようなイメージの技になります。初心者でも比較的簡単に習得できるパワームーブですが、手と足を地面に着く順番、タイミングを体で覚えるまではけっこう難しく感じるかもしれません。
また、足を着くのでしんどくなさそうなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、逆に連発する場合でも毎回足を着かないといけないため、勢いが1回1回殺されてしまい、他のパワームーブよりも連発するのは体力を使う印象です。

Point
1.腰を落とさない
2.飛ぶタイミングと体を振るタイミングを練習する
3.しっかりとジャンプオーバーする

バックスピン

背中だけをついて回るパワームーブです。
動画のように座った状態(LAスタイル)から入る場合は、できるだけ振ってくる足の軌道は真円を描くようにし、地面に着いている背中は接地面がブレないようにしてください。
また、なるべく地面に設置する点を背中の高い位置(頭に近い位置)で着き、お尻は絶対に床から離して腰が浮いてる状態をつくることが重要です。また、頭も地面から離し過ぎないようにしましょう。頭が上がるとお尻が下がってしまうためです。

Point
1.足と手をしっかり使ってあげること
2.近道せずにしっかりと遠心力を使う
3.我慢(開脚した状態をしっかり作ってから、足を締める)

ウインドミル

開脚したまま背中をついて地面を転がるようなパワームーブです。
おそらく一般人のブレイクダンスのイメージではヘッドスピンと並ぶパワームーブと言えるかと思います。また、この技がやりたくてBREAKINGをやり始めた人も多いのではないかと思います。と、同時にこれができなくて挫折して辞めてしまった人も多いのではないかと思います。

Point
1.近回りしない
2.手も上手く使いながら回す
3.足をしっかり広げて回す
 (足が途中で閉じる、曲がるなどは、初めたての人にはありがちですが、開脚がキープできていないとまず回れないと思ってください)
4.初めは頭を着いてあげる事
 (できる人は頭を着かなくてもできますが、着くことに慣れていた方が、ウインドミルからチェアーのフリーズにいきやすかったり、Aトラックスがやりやすかったりします)

自分の練習している様子を動画で撮影して、チェックしてみることもオススメです。

トーマス(トーマスフレア)

体操のトーマス旋回として、同様の技を見たことがある人も多いかもしれません。
開脚したまま手だけで体を支えて、体の周りを回転させるパワームーブです。BREAKINGを知らない人が見ても凄さがわかるように、習得するまでにはかなりの練習時間が必要となります。
特に、1発抜くのと連発するのでは難易度が格段に違い、連発したければ年単位での練習が必要なことは覚悟しておいた方がよいでしょう。

Point
1.練習を重ねて自分なりの形を
2.足を外に蹴った時、腰を引かない事
3.左右の手をつくタイミングに注意

動画ではポイントを上記のように挙げていますが、その他に
足の高さをキープすること、地面に着いている手は地面に着いている間は、地面を押し続けることも意識してもらえると良いかと思います。

クリケット

手をお腹に挿した状態から、跳ねながら手を中心に足を回すハンド系のパワームーブです。
軸手で跳ねて、逆手で地面を回転方向に漕ぐようなイメージになります。
逆手に体重を乗せすぎるとタートルという別の技になるため注意が必要です。

Point
1.回りながら手を入れ替える
2.床を押して跳ねるような勢いで

ベビーウインドミル

名前の通り、ウインドミルが小さくなったような見た目のパワームーブです。
足は開脚せずに、両足を曲げた状態で足首のところで組みます。そして、手のひらは地面には着かずにノーハンドの状態で回転方向に腕を振って、回ります。この時、真横に振らずに、内側に入り込むようなイメージで振るとやりやすくなるかと思います。
ウインドミルと比べると速さもあるため見た目もカッコいいのですが、連発する時は常に腕を振っている状態が続くため、けっこう忙しい技でもあります。

Point
1.足を組むときは外れないように足の先まで組む
2.足を組むときは小さく円を描いて組む(大きく開脚すると遠心力がかかりすぎて難しい)
3.腕を振るのは小刻みに振る(1回1回正面まで戻さない)
4.足は腕を振る方向と逆に刈って引っ張る

ボム&コインドロップ

ボムは開脚して立っている状態からトーマスのような足の入りで、ノーハンドでウインドミルのように背中に落とすパワームーブ、コインドロップは頭を地面に着けた状態で開脚し、そこからノーハンドでウインドミルのように背中に落とすパワームーブです。
いきなりボムから練習するのは、怖さもあるので、まずはコインドロップから練習して、慣れてきてからボムの練習をするようにしてもらえれば良いです。
連発はもちろん、単発だけでも色々なムーブに組み込めるかと思います。

Point
1.背中の上の方を着く
2.ジャンプしたと同時に背中に入る
3.足が着いた瞬間に2週目に入る
4.手を上に振る意識(コインドロップ)
5.足はトーマスと同じ軌道(ボム)

タップミル(エッグロール)

ベビーウインドミルとトラックスの合わさったようなパワームーブで、チェアーの状態から足を着いて、体を返すような技になります。
タップミルは慣れてくると、色々なところからつなげられるようになります。特にパワームーブでミスをした時のリカバリーにも使え、ミスをミスに見せないようにできることから非常に重宝されます。
今のシーンでは、バトルにおいてミスをすると大きな減点になるため、必須のスキルと言えます。

Point
1.チェアーを崩す前に肩までの状態で足を着ける
2.横になった状態でバックスピンの練習をする
3.地面に足を着いたら足は閉じる
4.足はスワイプスの意識

Aトラックス

ウインドミルからチェアーにいく時に、軸手で地面を押すと同時に頭をグライドさせて足を振り上げ、一瞬、頭だけに乗ってまたチェアーに戻るというパワームーブです。
見た目はカッコいいですが、ウインドミルからのチェアーができることが前提の技になりますので、
初心者の人はまずはウインドミルから練習してください。
また、パワームーブは基本的にすべてそうですが、この技も連発するのは単発に比べると難易度が跳ね上がります。

Point
1.グライドをするとき、足の裏が天井に向くイメージ
 (左チェアーの人は右足、右チェアーの人は左足)
2.顎を上げて頭をグライドさせる
3.ウインドミルからグライドしてチェアーを基礎練としてやりこむ
4.軸手と逆の手を外側に置き三点倒立へいき、少し体を捻りチェアーに戻す
5.徐々に逆の手を着く位置を奥に着き、角度をつけていく

頭のグライド、軸手を押すタイミング、足を振るタイミングが嚙み合わないとできませんので、そのタイミングを感覚としてつかむまで何度も練習することが必要です。

ヘッドスピン

地面に頭を着いて、頭だけで回転するパワームーブです。
ウインドミルと並んで、BREAKINGをしていない人もBREAKINGと言えばこのヘッドスピンを想像する人も多い、象徴的な技になります。
ヘッドスピンは、回転している時の形によって様々なバリエーションもあり奥の深い技でもあります。
やればやるだけ上手くなるとも言われますが、初めは頭皮が剥がれたりすることもありますので覚悟が必要です。また、練習する際は首を痛めないように気を付けましょう。
三点倒立ができることが前提のパワームーブになりますので、初心者の人はまずは三点倒立から練習してください。

Point
1.振る足は地面と並行を保つ
2.つま先は自分の方に向ける
3.体は少し丸める
4.1/4ずつ手を回転方向へ動かし、その後、頭と足を回転方向へ動かす
5.ゆっくりスピードを上げていく

ドリル

地面に頭を着いた状態で、体を締めて高速で回転するムーブです。
ヘッドスピンは頭に乗せた状態で回転をし続ける技ですが、ドリルは一瞬でギュッと回転するイメージです。(ヘッドスピンの上級者になればロングドリルといって、ドリルをし続ける技もあります。)
この技もヘッドスピンと同様に、三点倒立ができることが前提のパワームーブになりますので、初心者の人はまずは三点倒立から練習してください。

Point
1.三点倒立で胸を張る(張り過ぎは腰が反るのでNG)
2.上に絞る事を意識して足を振る
3.フレックスで足を固める(足首を自分の方に向けるイメージで固める)

動画では、ヘッドスピンができるようになってからの方が軸がわかりやすくてオススメとのことです。

1990

逆立ちの態勢で片手を軸にして回転するパワームーブです。
回転しながら逆立ちの状態を作り、地面を押しながら体を締めることで回転することができます。軸手が体から離れると回転することができなくなりますので、地面に着く手の腕を耳につけるようなイメージでやるとやりやすいかと思います。
また、回転する周数が上がるほど難易度も上がっていきますが、まずは1~2周できれば全然大丈夫です。3~4周でもけっこう凄くて、5周以上をコンスタントに回ることができる人は中々おらず、できる人はかなりの上級者と思ってもらって間違いありません。
逆立ちがある程度できることが前提のパワームーブになりますので、初心者の人はまずは逆立ちから練習してください。

Point
1.地面に着いている手を真っすぐにして重心を一直線にする
2.地面を潰すくらい押す
3.足も一直線にする

エアートラックス

逆立ちの状態で足を振って、回転しながら軸手で飛ばして、逆の手でキャッチするというパワームーブです。基本的なパワームーブの中では最高難度と言われている技です。
(応用技として更に難易度の高い技もありますが)
また、例によって単発と連発では難易度が比較にならないくらい跳ね上がります。他のパワームーブも習得するまでにはかなりの練習時間を費やさなければいけませんが、エアートラックスについては、間違いなく年単位でかかると断言できます。
練習をするだけでも、ある程度の基礎ができていないと練習そのものが全くできないかと思いますので、まずは逆立ち系の基礎力をあげるところから始めましょう。
20年ちょっと前では、エアートラックスを連発できる人というのは日本では数人しかいませんでしたが、今では珍しい技ではなくなり、特に若い世代ではウインドミルばりに標準装備しているBboyが多くなってきています。

Point
1.下から上に足を振ってから手で飛ばすイメージ
2.しんぴ倒立の状態で足を振る練習をする
3.足をフレックスの状態にして倒立旋回の練習をする
4.軸手で飛ばす時に腰も飛ばす
 (その時、飛ばす前までは腰を含んでいる状態を作っておき、飛ばす時に大の字になるように)
5.逆の手でキャッチする時に振ってきた足を下に落とさない(高い位置をキープする)
6.再び両手を着くときに反対の足を下から上に持ち上げる(最初の倒立の状態に戻る)

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